;still I want

mind

規則正しく呼吸する、その胸も。
中を流れているであろう、その赤も。
伝う、涙も。


全部、全部、自分のものになればいいのに、と。
願ったのは、いつだったか。





願いを口にすれば、君は救われたのだろうか。
背負う戒めを、少しでも軽くすることが出来たのだろうか。





熱を伝える鼓動が。少しずつ、遅くなって。


この場所に縛りついたまま、動くことも出来ずに。


名前を呼びたいのに。愛してる、と言いたいのに。


口に出してしまえば、君もこっちへ来てしまう気がして。出来なかった。


君は、必死で叫んでいたのに。





きっと心臓は動くことをやめて。
身体は少しずつ冷たくなっていって。
君はきっと、泣くのだろう。
どうして、と。
手を、握りながら。過去を振り返りながら。未来を怖がりながら。





寒さに凍える、その手を温めるのが、ずっと自分であれば良かったのに。なんて。
自分勝手なことを緩やかな思考で考えて。





雨が、止んだ。




2005/05/29 舞姫